名鉄協商株式会社
代表取締役 小林昌弘 様

「みんなで決めた」という経験が期待感につながり行動を変える
名鉄協商株式会社 代表取締役 小林 昌弘様

主に4つの柱があります。
パーキング事業、一般の方々にはこの事業が最も知られています。
リース事業、モビリティ関連の法人向けリースを中心に、自動車や自転車のシェアリングサービスも提供しています。
不動産業、これは貸しビル事業。
商社事業、商品の販売を手掛ける仕事、4つです。

創業1971年、来年が55年目になります。
名鉄グループの一社で、レンタカーのフランチャイジーから出発しています。名鉄沿線に駐車場事業を開始しました。さらに、レンタカーよりも長期間の利用ニーズに応える形で法人向けリース事業を始めました。沿線の営業所から営業マンが訪問する形で事業を拡大し、自動販売機事業をきっかけに商品販売事業へと発展しました。

私が入社した当初は、会社自体がまだ成長途上で、元気は良いが未熟な部分も多くありました。しかし、事業を積極的に展開し、現在ではしっかりとした基盤を持つ企業へと成長してきたと思います。

これまで、社内外に対してビジョンや理念を十分に打ち出せていませんでした。しかし、名古屋鉄道が新たにビジョン「名鉄×WAO!」を策定し、それを発信しています。当社も将来に向けてより強固なビジョンと経営理念を確立し、社内外に広めていく必要があると考えました。
当社の担当役員の河原が、かねてより中部マーケティング協会でご活躍だった酒井先生と親交があり、河原から紹介を受けてお話しをしました。そういった経緯で、ビジョン策定のお手伝いをしていただくことになりました。

新たに策定されたビジョンは「ビジョン2040」といいます。
また、短期的な目標として、この1~2年の行動計画も策定しました。現在はこの長期ビジョンと短期目標を全社員で共有し、組織全体でその実現に向けて歩んでいます。

2040年に幹部になっていく次世代のメンバー10名と、現経営陣9名が一緒になって考えていきました。酒井先生からはサジェスチョンやアドバイスをいただきつつ、基本的にはメンバー主体で考えて進めました。
過去を振り返りながら、浮かび上がったキーワードを結びつける形で策定を進めました。このアプローチはとてもユニークで、楽しく取り組むことができました。結果的にスムーズに進めることができ、良い形にまとまったと思います。

メンバーはしっかりやっていたと感じます。これまでは数字の目標設定が中心でしたが、今回のビジョンづくりでは、数字以外の目的や目標を定めるプロセスに自分たちが参加できたことを喜んでいたようです。

目標策定にあたっては、酒井先生からユニークな視点でのアドバイスをいただきました。納得しながら進めることができ、ワークショップやレクチャーも充実した内容になったと思います。

経営陣が一方的に決めるのではなく、社員全体で意見を出し合い、彼らの意見をおおいに反映させていますので、「みんなで決めた」という意識が強くなりました。そのため、社員の納得感が高まり、実際の行動にもつながりやすくなったと感じています。

私が入社した頃は、まだ若い会社で、売上を伸ばすために貪欲に挑戦する文化がありました。しかし、現在は安定した企業になった分、チャレンジ精神やフロンティアスピリットが薄れていると感じることがあります。世の中の流れもそうなのかもしれません。

酒井先生との最初の会議では、この点についても話し合いました。創業時の無骨さや積極性が薄れてしまい、スマートな企業になったことで、良い面もありますが、失われたものもあると感じました。

そこで、ビジョン2040では、創業当初のチャレンジ精神を大切にし、新しいことに挑戦できる風土を守るための取り組みとして、新規事業を推進することを3つの柱の一つに据えました。

今後は、以下の3つの方向性に注力していきます。
既存事業の強化(パーキング事業、リース事業、不動産事業、商社事業の4つのメイン事業)
新規事業の創出(新しいビジネスモデルを確立し、第5の柱を作る)
内部の強化(人材育成や制度整備)

特に、2040年までの15年間での大きな変化を見据えています。自動車業界は変化が激しいですから、私たちの事業もその波に乗り遅れるわけにはいきません。そのため、既存事業の進化はもちろん、新たなビジネスモデルの開発も重要な課題です。

https://www.mkyosho.co.jp/

名鉄協商(株)様は、名鉄グループにあって最も革新的な存在です。日本経済の見通しは決して明るくはありませんが、その中でもメンバーの皆さんは成長市場を見極め、自ら開拓していくビジョン2040を描き上げました。小林社長の任せて見守るスタンスが、現場社員の心理的安全性とチェレンジ精神を育んでいます。