vol.416『今年のトレンドとコロナ対策を徹底した病院』

V字研メルマガ

 1回3分「ヘコタレをチカラに」 vol.416

          by V字経営研究所 代表 酒井英之

 

『今年のトレンドとコロナ対策を徹底した病院』

 

新年あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

毎年、その年のトレンドを見るために
元旦の新聞に載る、地元岐阜の
約100人の社長の巻頭言を読んでいます。

 

そこから感じられた今年のトレンドは、
新規ビジネス、DX、SDGs。

 

とりわけ今年顕著なのが新規ビジネス。
こんな多い年は初めてです。

 

流れは2つ。

ひとつは数年先を見据えたビジョンがあって、
その方向で開発を進めてきた新規ビジネスが、
コロナ禍で一気に加速した会社。

 

もうひとつは、コロナ禍で市場ニーズが変わって、
それにいち早く対応した商品を用意して、
試運転が終わり、さあ、打って出るぞという会社。

 

特徴は、方針(想い)だけではなく
既に、形(具体的な手段)になっていること。

 

それは、数年前から五輪後を見据えて、
準備していた会社が多かったから。

 

しかもそれらは全くゼロからスタートものではなく、
今あるものを時代のニーズに合わせて
改良・工夫した応用モノが多いから。

 

例えば、岐阜県羽島郡になる松波総合病院は
以下のコロナ対策に取り組んでいます。
岐阜新聞の記事を紹介します。

 

「病院内感染を防ぐために、
12月から病院駐車場の一角にコンテナハウスで
医師が診療を行う発熱外来専用施設
「Gifu CUBE(キューブ)」を開設しました。
https://www.gifu-np.co.jp/news/20201202/20201202-25341.html

 

全部で6棟のコンテナがあり、
コンピューター断層撮影(CT)室の他 、
発熱外来専用施設としての患者個別の待合室、
診療室、スタッフ室までを総合して院外に設けた
全国初の試みです。

 

この施設を活用すれば、
コロナインフルエンザに感染した疑いがある
発熱した患者を病院の建物外で診療することができます。

 

診察前からしっかりと導線分けることで
医療従事者を守り患者同士の感染を防ぎ
医療崩壊を回避することができます。

 

さらに同病院は、「Gifu CUBE」に先駆けて
「Gifuカーテン」というサービスも発明しています。

 

これはコロナ感染の疑いのある患者自身が
一人で車に乗ったままドライブスルー方式で
PCR 検査が受けられるサービス。
https://www.youtube.com/watch?v=UMPofuikr6Y&t=1s

 

医師等の感染リスクを軽減するために
独自に考案したビニールカーテンで、
医師が安全に検体を採取できる仕組みとなっていて
全国に広がっています。

 

これは皆が「ものすごく」知恵を絞り、
現場の人の意見を聴き、関係者とコラボしつつ
スピード感(危機感)持って実践行動した
結果だとよくわかります。

 

松波総合病院の事例は
コロナ収束までの一時的なものかもしれません。
が、新規ビジネスは社会の課題解決のために興すもの。
そしてその成功の秘訣は、
「この社会課題をなんとかしたい」というトップの情熱です。

 

実は同病院は2020年4月に患者と医師が感染しています。
その経験が、ここまで徹底するというトップの情熱となり、
全国初の施設となりました。

 

それは、地域の人や業界内にしっかり伝わって
同病院のブランド価値を高めることに貢献しています。

 

さらにこうして職員全員が知恵を絞って変化対応し、
乗り切って、お客様や地域に喜ばれたという
「組織の自信」も得ています。

 

この自信が次に同じようなリスクに直面した時も、
社員を「自ら考え行動する人財」に変えます。
それが会社の風土的な強みになります。

 

新規事業は、トップの熱い想いの結実です。
弊社は今年もビジョン開発や幹部人財育成により
このような熱い想いを持った経営者と幹部の皆さんを
側面支援していきます。

 

今年もどうぞよろしくお願いします。