vol.356 『歴史の転換点でアクセルを踏み込め』

2019/9/5
V字研メルマガ

1回3分「ヘコタレをチカラに」vol.356

by V字経営研究所 代表 酒井英之
『歴史の転換点でアクセルを踏み込め』

歴史の転換点、という言葉があります。
「これからで何かが大きく変わる」という意味ですが、
今がその時期ではないか?と感じている方は
少なくないのではないでしょうか?

「歴史は繰り返さないが、韻を踏む」
これは『トム・ソーヤの冒険』を書いたマークトウェインの言葉です。
歴史は全く同じ事柄が間隔をおいて起きるのではなく、
性質的に似たような事柄が自然界のバイオリズムのように
繰り返し、一定の周期で発生しているという意味です。

この周期について多くの先生が研究し、
〇年周期という理論で語っています。
それらの理論は数年の差こそあれ、
「そろそろ大きな節目に来ている」点で共通しています。
今回はその説から代表的なものを二つ紹介したいと思います

まず、次の一万円札の顔になる渋沢栄一のひ孫であり、
「渋沢栄一研究家」の渋沢健先生の説を紹介しましょう。

渋沢先生は、30年単位で「良い時期」と「悪い時期」が
交互にやってくるという説を唱えています。

起点は1870年明治3年です。そこから以下のように時代が展開していきます。
1870-1900「悪い時期」*1870明治3年
1900-1930「良い時期」*1905日露戦争、1929世界恐慌
1930-1960「悪い時期」*1945終戦
1960-1990「良い時期」*1964東京五輪、1989バブル経済
1990-2020「悪い時期」*失われた30年
2020-2050「良い時期」
この説に従いますと、来年2020年はまさに
これから良くなるというスタートの年に当たります。

次にマーケティングコンサルタントとして
有名な神田昌典先生の説を紹介しましょう。
神田先生は17.5年単位で、「冬・春・夏・秋」の流れで
時代は変わるという説を唱えています。

「冬・春・夏・秋」の流れとは、
冬は種をまく時期で、春はそれが芽を出す時期。
夏は花が咲く時期秋が実をつける時期という意味です。

これをビジネスに置き換えますと、
冬は色んな試行錯誤をして何が伸びるかを見つける時期。
春はそのビジネスが成長する時期。
夏はそのビジネスのニーズがピークに達する時期。
秋はビジネスが成熟し、勝ち組と負け組二極化する時期となります。

起点は1875年で、以下のように繰り返しています。
1875-1892.5 冬*1975は明治8年
1892.5-1910 春
1910-1927.5 夏*1915大戦景気
1927.5-1945 秋
1945-1962.5 冬
1962.5-1980 春
1980-1997.5 夏*1997山一、拓銀破綻
1997.5-2015 秋
2015-2032.5 冬

この考え方によりますと、
2015年からわが国は冬の時期を迎えています。
新しいビジネスが次々と立ち上がっている状態です。
昨今のAIを用いたスタートアップの隆盛や
副業解禁などの流れと一致します。

この二つの理論が意外にも諸説ありますが、
いずれにしても2020年を迎えようとしている今、
私達は時代の大きな転換期にいることは
間違いないようです。

「チャンスが来たらアクセルを底まで踏み込め!」
と言いますが、今がまさにその時期でしょう。

現在私はある老舗問屋で、
新工場の開設に伴う新商品開発の指導を行っています。
どんなビジネスモデルを構築し、
どんな商品を作ったら新たな顧客を開拓できるのか、
同社の後継社長と若手社員たちとで
ワイガヤで議論をしながら進めています。

彼らの視野には、国内だけでなく
アジアへ展開するシーンが見えています。
自分たちで新たな時代を切り開いていく
手応えを感じているのでしょう。彼らはとても楽しそうです。

若い社員が時代の転換期をチャンスと捉え、
社長と一緒に大きな夢を見るのは、
周期的には、60-70年前に、
先々代が当時の若手社員とともに実現していたこと。

今、再びそのような好機を迎えています。
このタイミングを、あなたの会社は
何をどのように変えていくべきだと感じていますか?
じっくり考えて、それが見えたら創業者と同じ開拓者精神で
ググっとアクセルを踏み込んでいきましょう。