vol.475『業務のシンプル化で生産性を高めよう』

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 1回3分「ヘコタレをチカラに」 vol.475

          by V字経営研究所 代表 酒井英之

 

『業務のシンプル化で生産性を高めよう』

 

飛行機、新幹線…もうすっかり人の波が戻りましたね。
が、中身を見ると以前とは違うことも多々あります。

 

例えば先日、博多のテンザホテルで
驚きの体験をしました。
今回はその体験をもとに、
生産性向上について考えてみたいと思います。
https://www.tenzahotels.jp/hakata/

 

私はこのホテルに2泊3日で宿泊したのですが、
チェックインの時にフロントの人にこう言われたのです。

 

「当ホテルは連泊者には清掃は3日に1度しか行なっていません
お客様の宿泊される明日は、掃除のない日です。
ただフェイスタオルとバスタオルだけは交換しますので、
ご使用済みのもの朝10時までに、
この袋に入れてドアノブにかけておいて下さい」。

 

「掃除をしない!!」と聞いてびっくりしましたが、
幸い私がツインの一人使いのツインを予約していたので、
今日は右側のベッドに寝て、
明日は左のベッドに寝ると決めました。

 

アメニティ類はいつも持参しているので、
特に困ることはありません。
お風呂もトイレも綺麗に使えば、
特段の清掃も要りません。

 

唯一ゴミだけは回収されませんでしたが、
少量なので気にすることもありません。
ということで、3日に1度の清掃でも
何の問題もなく過ごすことができました。

 

連泊時には、ホテルの部屋の掃除は要らない…!!
これは私には大変な発見でした。
同時に、世の中にはもっともっと
シンプル化してよいものが多数あるのだと気づきました。

 

かつてスティーブ・ジョブズは、ウォークマンから
カセット、操作ボタン、スイッチ、電池などを省いた
ipodを開発し、大ヒットさせました。

 

「無印良品」も世界中でヒットしています。
人はシンプルなものに「新しさ」と「美しさ」を感じて共感し、
それを受け入れるのです。

 

相次ぐ値上げの中、企業はいま、ムダな行為を見直し、
人時生産性をいかに高めるかが問われています。
上記のホテルの清掃の削減はその一環ですが、
シンプル化による生産性向上は待ったなしです。

 

その影響で、弊社にはここ数か月で何件もの
生産性向上体験研修のオファーが寄せられています。
https://vjiken.com/consulting/kenshu.html

 

この研修は3人1組のグループになり、
レゴブロックを指定の形に組み上げる時間を競います。
ゲームは約1時間で、この間、計7回同じものを作ります。
そして、回を追うごとにどのチームも短時間で組み上げるようになり、
最終的には約100倍も生産性が飛躍するのを体験するのです。

 

研修の総時間は、3時間。最初の30分はアイスブレイク。
次の1時間でレゴブロックの組み立てゲーム。
そして残り90分で、ゲームを振り返りながら
生産性向上のためのヒントをつかみます。

 

グループ間の競争で、誰もが楽しく取り組めます。
さらに、なかなかできなかったことが、
ある条件変更を機に一気に加速して短時間化できることから、
イノベーション体験ができると、好評価をいただいています。

 

ただし、ブロックを組む段階でどうしても密になるため
コロナ前は頻繁に開催していたこの研修も、
コロナ禍では開催を見送っていました。

 

ところが最近になり、弊社のホームページを見た人から
「どうしてもやりたい」とか
過去に研修に参加した経験がある人から
「あの研修を社内の他のメンバーに実施してほしい」
との依頼があり、約2年ぶりに研修を再開したのです。

 

そのうちの一社は、
研修の目的が『週休3日制の導入』でした。
現在大手企業で、週休3日制が導入されつつあります。
「自社でも実現できないか検討したい」というのです。

 

そこで、一日の研修を実施しました。
午前中に現場のリーダークラスに上記研修を行い、
「自分たちの創意工夫で生産性を上げることができる!」を
体験・体感していただきました。

 

続いて午後は、その学びを自社の現状に置き換えて
どうしたら週休3日制が実現できるか、
同業他社の事例なども参考に、ディスカッションしました。

 

すると、以下が具体的な実現策として提案されました。
・人材のマルチタスク化
・複雑で過剰と思われる業務の簡素化
・お客様に業務の一部を担っていただくセルフサービス化

 

これら業務のシンプル化を実現できれば、
週休3日は夢ではありません。
顧客の理解も必要であり、一朝一夕にはいきませんが、
同社は今、その課題に向けて取り組んでいます。

 

生産性向上で最も大切なことは、
「自分たちならできる」と皆が信じて力を合わせることです。
「週休3日?馬鹿なこと言うな。できるわけないよ」と
一人でも言えば、できるものができなくなってしまいます。

 

ゲームとはいえ、生産性向上を体感すれば、
最大の敵である「やらないうちから諦める」を払拭できます。
「ひょっとしたら、自分たちにもできるかも」と
ポジティブな心合わせができます。

 

その一体感が、心理的安全性を作り、
大胆なアイデアを生み出します。
「清掃は3日に1度」「週休3日制を当社でも」等は、
そうでなければ絶対出てこない、
常識破りでシンプルなアイデアです。

 

あなたの会社は今、
生産性向上に向けて各自がアイデアを考え、
それを伝え合い、その中からベストな案を
見出す環境にありますか?

 

過去を否定し、未来を切り開く、
新たなアイデアが生まれていますか?
デジタルネイティブな若手社員のアイデアと行動力を、
経営に取り込めていきますか?

 

研修でもミーティングでも、
「仕事をもっとシンプルにできないか?」を考える、
そんな機会をぜひ、作ってくださいね!

 

※生産性向上体験研修に興味のある方は以下のサイトの
「お問い合わせ」欄にクリックしてご連絡ください。
オンラインでご説明します。
https://vjiken.com/mf/index.html