水谷研治氏

水谷研治先生×酒井英之

東海銀行入行後、旧経済企画庁やニューヨークのシティ銀行に出向、多くの支店長を歴任して専務取締役を歴任した水谷研治先生。先生が東海総合研究所の代表取締役社長兼理事長に就任した時から、上司と部下という関係で大変長くお世話になっています。
中京大学で多くの生徒と接し、90歳になられた今でも、先生の母校である名古屋大学の大学院経済学研究科の客員教授として活躍されています。
そんな水谷先生に、最近の研究テーマをはじめ、日本の経済の過去・現在・未来、さらには今のビジネスマンが学ぶべきことや考え方、今後の若者へのメッセージなどを伺いました。

かつては社内で、今は大学内で繋がり続ける縁

酒井:
お久しぶりです。先生には東海総合研究所時代から、本当にお世話になっています。こうしてまたお会いできて、本当に嬉しいです。

水谷:
ご活躍、何よりです。今回貴社のwebサイトのスペシャルインタビューに加えてもらって、大変嬉しかったですよ。
というのも、酒井さんがV字経営研究所を立ち上げられた際、私の中では一番活躍できる立場になったという認識があったので、何かの時には是非仕事を頼もうと待っていたんです。
ですから名古屋大学経済学部で社会人大学院を立ち上げる話が来た時、ぜひ人事組織論を担当して欲しい、それができるのは酒井さんしかいない、と思っていたんです。それを二つ返事で引き受けてくださって。本当に引き受けてくれてありがとうございました。感謝しています。

酒井
こちらこそありがとうございます。大学院で教鞭を執るのは、いわゆる「学者」じゃないとだめだと思っていたので、「実学」しか知らない自分では到底務まらないと思っていました。

水谷
いえ「実学」がいいんです。酒井さんに言われたら、皆さん「はいはい」って言うこと聞きますから!2016年度からですから、もう8年になりますか。次年度もよろしくお願いいたします。

酒井
東海総合研究所時代、先生から「私の付き人をお願いしたい」と言っていただいてから、長い間お世話になりっぱなしですから、恩返しと思って私にできることは何でもします。

「一生わらじを作り続ける」という言葉に感銘

水谷:
私が東海総合研究所の社長に就任したとき、社員にアンケートを取りました。お題は「将来どんな仕事がしたいか」。そのとき酒井さん、あなたは自分が何と応えたか覚えていますか?

酒井:
いえ、全然覚えていません。

水谷:
酒井さん、あなたはこう書いたのです。「一生、わらじを作り続けたい」と。

酒井:
そうですか!その言葉は今も私の人生理念のひとつですが、その頃から発言していたんですね。

水谷:
そう。世の中には御輿に乗る人がいる。その御輿を担ぐ人がいる。担ぐ人はわらじを履いて働く。その担ぐ人のわらじを自分が作り、そうやって役に立ちたいと。あなた、そう書いたのです。それを読んだ時に「変わった人だな~」と思いました。「担ぐ人のわらじを作り続けたい」なんて言う人、聞いたことがなかったんですよ。

一般的には、御輿に乗る人を目指すでしょうが、担ぐ人もわらじを履かないと働けないのでわらじを作る人も必要。人によっては「末端の仕事」と言うかもしれません。
でも、偉い人も自分が乗る御輿を担いでもらわなければ、一歩も前に進めません。ですから、御輿に乗る人も御輿を担ぐ人も、わらじを作っている人に感謝しなくてはならないというのが、この言葉の本来の意味なんです。

酒井:
そんな昔のことを覚えてくださっていたのですね。有難いです。
御輿に乗る人はクライアントの社長。それを担ぐ人がそこの社員。私はその社員たちが履くわらじ=働きやすい環境とか、ピョンピョン飛び跳ねることができるジャンピングシューズを作るのが私の仕事、と考えていたのです。
そのアンケートに答えたのは、先生が赴任された94年ですから、かれこれ30年前です。お陰様で今でも「わらじづくり」をぶれずにやっています。

酒井:
先生とじっくり話す機会は久しぶりですが、最近はどうされていたのですか?

水谷:
よく聞かれるんですけどね…お陰様で元気でやっていますよ!
といっても、やはり私にとっては「日本経済の将来」、これが一番気になります。

不透明な日本経済に未来はあるのか?

酒井:
先生にとっては、今も昔も日本経済の将来が研究テーマなんですね。

水谷:
ええ。今後どうなっていくのか、いろんな方面にどう影響が出て、影響した場合はどうあるべきか、準備しなくてはならないものは何か。山ほどある研究材料の中から、指針のようなものを考えています。
が、将来を見るのは大変難しい。

酒井:
そうですね、円安とか株高とか…全然予測できませんでした…。

水谷:
皆さん「将来のために、現状を見定め、理解しなくてはならない」とおっしゃっていますが、実は知っているつもりになっているだけ、というのが私の考えです。
「本当に理解していますか?」と問いたいですね。

酒井:
と、おっしゃいますと?

水谷:
テレビや新聞からは聞こえてくるのは「でもお金がないからできない、困っている」という話ばかりですよね。

でも考えてみてください。特に物価に関しては「野菜も魚もお肉も高い!」とおっしゃる。
でも思うんですよ。例えば「イワシ1匹が100円なんて高い」と言う。それならイワシを捕りに行ってみてください。船も要るし釣る人員も要るし、そもそも船を造る人も必要です。それを考えれば100万円どころでは済まないのに、わずか100円で買えるなんて安いんじゃないかと。

酒井:
野菜もそうですよね。種を蒔きさえすれば育つのではなく、土地が必要で、育成を見守る人が必要で、収穫し、加工し、流通する人も必要です。おいしい大根を1本作るのに数万円ではできません。

水谷:
目の前にこうした現実がある中で、実際を把握することは難しいと思います。
ですから、昔はどうだったのか、1000年前は? 終戦後は? と時代ごとに知る必要があります。今でこそ日本は豊かですが、私が小さい頃は芋や大根の端っこでも「ああ、美味しい」と思いました。でもそれもたった80年前のことなんです。

戦後豊かになって、その後バブルやリーマンショックなどで落ち込んだからか、この数十年を見て勘違いしてしまったけれど、さかのぼれば世界中が貧しかった。特に、日本は世界の一番貧しいところと同じくらい貧乏だった。そういう過去との動き、社会や各国と比較してみて、やっと現在がわかるんですよね。

酒井:
長い歴史を見た上で判断しましょう、ということですね。

水谷:
はい。そして「将来はどうなるか」。これは、わかりません。
でもそんな中で知らん顔していくんですか?と。
広い視野と角度で世の中を見られる能力があるなら、対応できます。だからこそ、私たちが種を蒔いて育てていく必要があると思うのです。

日本における「豊かさ」と「ものづくり」

酒井:
では、どんな種を蒔き、どんなことに気をつける必要がありますか?

水谷:
まず「豊かさとは何か」を考える必要があります。
今、安いものは豊富にあり、すぐ運んでくれます。それは努力してきた結果いいものができるようになったからです。
でもこれが永遠に続くと思っている。特にこの20~30年はモノがあふれ、さらに余っている状態ですよね。

酒井:
確かに。「これが日本の当たり前だ。ずっと続くはず」と思うのが、普通の感覚かもしれません。

水谷:
でも、長い歴史や今の世界を隈なく見ると。そうは感じないはずです。
とはいえ、日本はダメになるかと訊かれたら、私は「ならない」と答えます。
なぜなら過去にものすごく働いて、ものすごい力を蓄えてきているから。
具体的にはモノを作り出す力。一人ひとりが懸命に努力をして、ものづくりに励んできた歴史があるからです。

今は明らかに作りすぎ。だから余暇をもっと楽しみましょう、モノを作りすぎて働き過ぎたから休みましょうと言います。残業せずに定時には帰りましょうとなる。昭和の中期まで日曜だけだった休みが、週休2日になり、今後3日になるとも言われています。

酒井:
働くとモノが余るから「働いちゃダメです」「もっと遊びましょう」「仕事なんてやっていられない」という風潮は、あるかもしれません。

水谷:
そうなると、当然、ものづくりの力は衰えます。
昔は何でも売れたし儲かっていたけれど、今は世界中に売っていた製品も、以前ほどは買ってもらえません。
そればかりか「もっと安く作るために、労賃の安い国で作ろう」となる。
最初こそ現地の方も慣れなかったでしょうが、勤労勤勉を教え込んで、みなさん努力をして一生懸命働き、生産性も上がってきた。
いいものを安く作れるなら、じゃあそこから輸入しようとなりますよね。

酒井:
確かに日本で作らないものが増えていますよね、特に衣類やテレビなどの家電製品は。家具の多くもそうですね。

水谷:
日本にはすでに作る力がなくなっているので、それがもっと進むと思います。

加えて、かなり前から日本は貧乏になっていますが、過去の蓄積がものすごく多いので目立たないだけなんです。例えば、お金持ちの息子は資産を切り崩せば豊かに暮らせるし、お金がなくなっても銀行が喜んで貸してくれるのでずっと贅沢ができる。
それと同じで、過去の蓄積を切り崩していけば、ある程度までは豊かな生活ができます。

酒井:
今私たちが幸せなのは、自分たちが働いたから幸せなのではなく、国が借金しているから幸せだ、ということですね。

水谷:
はい。この現実を国民が知っているのだろうか、と案じています。
財政赤字は毎年増え、令和5年度末の公債残高は約1,068兆円と発表されていますが、20年前の約2倍、40年前から比べると10倍です。
日本は資産が大きいので、10年20年は大丈夫だと思いますが、その間も借金は嵩み続け、決して元には戻らない。気が付いた時には借金ができなくなるかもしれないし、インフレになれば金利が上がります。

酒井:
国際的な視点から見ても、大きな借金をしている国への見方は変わりますし、大増税になる将来が見えてきます…。
そうなると今後はどうしたらよいのでしょうか。

水谷:
考えて準備をしておく、ということですね。
今後、誰も働かなくなり、働く習慣がなくなったら回復は不可能で、永久に落ち込んでいきます。
それは先進国が辿った道です。フランスやイギリス、ローマ、今はアメリカ…。ただ、彼らと日本が違うのは国債であって外債ではない。だからなかなか危機が表面化しません。

だからこそ「考えましょう」と伝えたいんです。
子どもたちに対して、どういう環境を整えてあげられるかを考えましょうと。
それが、私の一番伝えたいことです。

そして「今どうすべきか」「将来どうすべきか」を一人ひとりが考えたら、その考えを周りの人にも伝える。それが人としての課題だと思いますし、会社でいえば経営者としての役割だと思います。

「好きなことで食べていく」は可能なのか

酒井:
考える上で大切なことは何でしょうか?

水谷:
一人ひとりが好きなことをする。シンプルなことですが、そう思います。
嫌なことは続きません。が、好きなことは続けることができます。

酒井:
「好きなことで食べていこう」という言葉を聞く反面、「そんなこと、できるわけない」という声をよく聞きます。

水谷:
そうですね…でも、本当に「好きなこと」を探してみたんでしょうか? たぶん探してないと思いますよ。
どんなことでも嫌なことはついてまわりますが、「馬鹿馬鹿しいけれどやっている」という人もたくさんいます。
例えば絵を描くのが好きだとする。絵はそう売れるものでもないし、周りからはくだらないと言われる。でも本人は夜中でも明け方でもお金がもらえなくてもやっている。
それは楽しいから。

だったら自分も、楽しいと思うことをやってみよう。
人が1時間でできることを50分でやるとか、もっとレベルの高いものにしようと。
これは、仕事に対してはもちろん、どんなことでも根幹になる考え方だと思います。

酒井さんで言うなら、素晴らしいわらじを作ろう、旅に出るならわらじより靴の方が長持ちするから作ってみよう……と。こうしてその道のトップになっていくんだと思います。

酒井:
確かに「より良くしよう」ということは、仕事でも人生でもあてはまる考え方ですし、それに向かって行動しているときは楽しいですね。

水谷:
するとね、週休二日の意味が変わるのです。今は「5日は大変。2日の休みは楽しい」ですが、「5日は楽しい。2日は仕方ないから休む」になるんです。
その休みの2日に「こうやったらどうだ、ああやったら面白い」と考える。すると、次の週が楽しみになる。エネルギーがあふれているから、生産性も上がる。失敗しても気持ちを切り替えて、新しいことを考えるようになる。

酒井:
「金曜日に家に帰るのが嫌だな、月曜日が待ち遠しい」なんて会社になるのは、本当に理想ですが、みなさんそう思ってくれるでしょうか。

水谷:
だからこそ、まず経営者が実行するんです。経営者から積極的に「より良いことに向かって挑戦することを楽しみに」すれば、全体的な生産性も上がるし、生産性が上がれば給料も上がる。

酒井:
私でいうなら「お役に立てるわらじを作り、それが発展して靴を作る」になるということですね。

水谷:
はい。「靴ができたから、じゃあ次は自動車を作ろう、今度は空を飛んでみたい」と発展していく。
こうして「結果的に発展した」という会社にして欲しいし、それぞれの経営者がやれば、周りもみんながやり、会社は発展しちゃうんですから。

本当に必要なものを考えて、もっといいものにしたいから、努力をすることが楽しい、そんな生き方を一人でも多くの人にして欲しい。
特に、名古屋大学の経済学研究科(大学院)で学んでいる人には、本当のあるべき姿をここで学んで、持って帰って実践してほしい。そういうのを教育するのが酒井さんの役割ですよ!

酒井:
はい、これからも伝え続けていきます。

水谷:
みんなが考えて学んでくれたら、こんな嬉しいことはないです。
今、私は、毎日名古屋大学に来ているんです。卒業生・在校生によるコミュニティもありますから、そこで集うのも楽しいんですよ。
コミュニティには豊かで意欲的な人が多くて、学部も法学部、工学部、農学部、医学部と出身学部はバラバラ。東大を出た方もあれば通信制大学の方もいたり、いろいろな個性を持つ方が助け合って、学び合っています。私はいずれこのコミュニティから総理大臣も出したいと思っているんですよ。

現状が暗いからこそ「楽しさ」に目を向ける

酒井:
今から必要な考えの肝としては、まずは、現状把握をすることですね。

水谷:
はい。前述のように、過去や世界の繋がりを見ながら現状を的確に把握することが大事です。今までは、国が膨大な国債を発行して経済を下支えしてきました。未だ10年や20年は続けることが出来るため、国債の残高は巨額になります。この間、国民は働くことを忘れてしまうために、国の生産力が低下していくでしょう。その結果として、モノ不足となり、インフレとなって金利が上昇し、国債の金利支払いのために国が借金地獄になるでしょう。悪性インフレになって国民生活は急落を続けると考えられます。

酒井:
下がるという見通しを立てて対処するのですね。

水谷:
下がっていくのを当たり前として捉えて受け入れ、やはり「楽しむ」ことでしょう。
例えばオリンピック選手は、競技が楽しいというのが基本にあると思うんです。
それと同じように、仕事はもっと楽しいと私は思うんですよ。

酒井:
「もっと素晴らしいわらじを作るから、俺に任せておけ!」って思ったら楽しくて仕方ないかもしれません。

水谷:
もっとこうしよう、こう作ったら喜んでもらえるかなと思ったら、考えるのが楽しくて寝ている暇なんてないですよ。
「もっと楽しむ」。皆さん、そこに目を向けてほしいですね。

酒井:
ステップとしては、第一に現状を正しく把握する。第2に見通しを立てる。第3に対策を考え対処する、ですね。

水谷:
はい。そして第4に「広げる」ことが大事です。
家族や親戚、部下、上司、友達など、周りを巻き込む。みんなを幸せにする。
一人で幸せになったのではまだ足りない。まだまだやることがいっぱいあるから忙しい、という気持ちでやっていただきたいですね。
特に、大学院での皆さんの様子を拝見すると、私の方が学ばせていただいていますから、そんな輪を広げたいと思います。

酒井:
私も見習います。

水谷:
私は欲が深くて、野心満々ですから(笑)。
でもそれは酒井という男に教えてもらったんですよ。
酒井さんは、今でも仕事を楽しむことの大切さを世の中に広めていると思っています。ですからぜひますますのご活躍をお願いしたいと思っています。

酒井:
ありがとうございます。ますますやる気がわいてきました。

秘訣は、経営者自らが楽しむことと、健康第一

酒井:
今後、代替わりを迎える会社もありますが、次世代の上に立つ人が仕事を楽しむことは大切ですよね。上に立つ人が嫌々やっていると誰もついてきませんから。

水谷:
いい会社、尊敬できる方がいる会社は、経営者自ら「毎日会社に行くのが楽しいから、一番に行く」って言われるんですよ。そして何をしているかといえば掃除。
「キレイになったらみんな楽しいし、嬉しいから」と、とてもシンプルなんです。
CoCo壱番屋の代表も、社長の時代からよく掃除をされていたそうですし。
キレイになるのが楽しくてしょうがないし、作り出すのも楽しい。
その一方で、社員に指示なんてしないんです。だからこそ「あの社長、楽しそうだな」と真似されていく。

酒井:
トップの姿勢というのは影響力が大きいですね。

水谷:
誰でも、考え方にちょっとでもスイッチが入れば、ずっと伸びていくんです。
環境とか学歴とか全然関係ない。「上を目指したい」と思えば必ず伸びるんです。
銀行員時代を振り返ってわかったんですが、学歴が高くても将来はさまざまでした。
大学に行っていなくても優秀な方がたくさんいて、多くのことを教わりました。
人の能力は学歴とは違うなと。心がけと努力次第だと。

逆に、旧経済企画庁にいた際も、周りはいわゆる超エリートばかりでした。だからといって偉くなった人ばかりでもないんです。
つまりは、気持ちや姿勢次第。私も関わった経営者さんには「あなたの役割はすごいんです、自分自身で楽しんでくださいね」と伝えるようにしています。経営者なら影響力は半端じゃないですから。

酒井:
「経営者自らが楽しむ」ことが一番大事。これは今だからこそ、大きな声で言いたいものですね。

水谷:
はい。酒井さんのように指導する立場にある人にこそ「基本は考え方。人生に対する考え方。楽しむ、自ら楽しむ」ということをやって欲しいですし、仲間内でもみんなが楽しめるような社会にして欲しいです。

ただ…その中でどうにもならないことが一つだけあります。それが「健康」。

酒井:
確かに私も気になる年齢になってきました。

水谷:
本当に注意すべきだと思います。
私は長年たまたま健康でしたが、やはり病気になる人はうまくいきませんでした。
だから病気になったら、全てを放棄して治療に専念すべきです。
経営者にとっては、自身が健康になる努力はもちろん、社員についての健康を守ることも、重要な役割だと思います。

そして、ゆとりができたら応援する。うんと働いて儲けたいという人や会社を支援する。
お金を出すのは楽しく嬉しいことですし、支援ができるなんて、こんな幸せなことはない。
ですから、その会社が立派になっていくように祈念する。今だけじゃなく、将来にわたって発展するようにね。

酒井:
まさに、そうありたいですね。自分が応援する人が活躍する姿を見るのは、最高に楽しいですね。

ところで、先生は背筋もピンとされとても健康そうでいらっしゃいますけれど、普段から気をつけていらっしゃるんですか?例えばスポーツを趣味にしているとか。

水谷:
実は趣味は特にないんです。といっても、僕は身長が178㎝と昔は高い方だったので、スポーツは得意でしたね。卓球では名大でキャプテンもやっていました。僕が黒いものを白と言えば白!今は誰も言うことを聞いてくれません(笑)。

酒井:
勢いのある、昭和の部活動が思い出されますね。
では最後に、今を生き抜こうと懸命に働いている経営者の方々や、次世代を担う若者の皆さんにメッセージをお願いします。

水谷:
「人生を楽しく生きる」シンプルですが、改めてそう思いますし、伝えていきたいと思います。
先日90歳になったんですが、まだやりたいことがあるので、ここからまたスタートする気持ちでいます。欲張りなんでね、欲を満たせるよう尽力したいです。
そして、がんばって楽しんで生きる人を増やしたいですね。

酒井:
私も健康に留意しながら、人生を楽しみたいと思います。数々の教訓、ありがとうございました。

プロフィール

水谷研治(みずたに けんじ)

1933年生まれ。名古屋市出身。名古屋大学経済学部卒。
東海銀行入校後、調査部長、専務取締役などを務めた後、株式会社東海総合研究所の代表取締役社長、理事長などを歴任。1989年経済学博士(名古屋大学)。
1999年中京大学教授、2001年大学院経済学研究科長。学校法人梅村学園理事、評議員、学術顧問、そのほか公務員制度調査会委員、財政制度等審議会専門委員なども務めた。2008年中京大学名誉教授。
2012年名古屋大学客員教授。担当科目は経済学、日本経済論、日本経済の基礎、経済政策と日本経済、経済政策論、金融・財政 国際社会と日本 など。