第7期 第6例会 2026年1月22日(木) ブラザー工業株式会社様(愛知県名古屋市)

人を大切にすることで好業績を続けている企業を見学させていただく無敵経営研究会。

今期の最終例会、第6例会は1月22日(木)、名古屋市のブラザー工業株式会社様を訪問。

経営企画部のアドバイザーのご講演とショールーム見学をさせていただきました。

特にブラザーのブランドメッセージの「at your side」。

シンプルなこの言葉から多くの気づきを頂きました。

これは「個人に対する信義と尊敬」を表した言葉で、ブラザーのブランドメッセ―ジかと思います。

ブラザーにとっての一番のリソースは、従業員です。

私は在籍中、ブラザーの残念な点を随分先輩から聞かされました。

そのうちの一つが「精密機械メーカーなのに工場が堀田にあること」でした。

地価が高すぎるのです。

それは労務費の高さにもつながり、コストに跳ね返ります。

当時精密機械メーカーは皆、諏訪湖周辺にあると言われていました。

諏訪湖に工場がない精密機械メーカーはブラザーだけでした。

よって、土地、設備など資産的なリソースがない会社なのです。

現在の堀田の建物内は、技術者で埋め尽くされて、工場ラインはありません。

プリンターやミシン関連の工場は皆、海外です。

そう考えるとリソースと呼べるのは人しかいません。

そこで2010年頃から「at your side」という人を大切にする想いを全世界で共有できるよう努めたのです。

「あなたにとってのat your sideは何ですか?」

「今年度の私のat your sideは〇〇です」

「それを絵に描いて表しましょう」

などの問いを世界44か国のブラザーグループ社員に投げかけ、一緒に考えたと言います。

これらの問いは理念共有に大変有効な質問です。

理念は暗記するものではなく、問いかけて考えさせ、「私はこう思う」を伝え合ってこそ、皆の心を一つに新たな発想と熱情を生み出す哲学として機能します。

アドバイザーが「『それ、at your sideじゃない』と言われると、『生まれてすみません』と言いたくなるくらいのショックです」と語っていました。

理念とは社員にとってそれくらいのインパクトがあるのが本来の姿です。

そこまで思い込める人は滅多にいませんが、そういう人がエバンジェリストになっているのがブラザーの素晴らしいところです。

皆で共有し共感するには、理念そのものがシンプルでわかりやすい言葉であることが欠かせません。

「at your side」から、シンプルであることの大切さを改めて痛感しました。