第6期 第5例会 2024年12月4日(水)株式会社天彦産業(大阪府住之江区)
社員の休みを増やしたら業績が上がる (株)天彦産業様訪問・見学
12月4日(水)第5例会の第二弾、無敵経営研究会の通算40社目の訪問先は、創業150年を迎えた大阪の天彦産業様の南港センター。
樋口友夫会長の講演を拝聴し、加工場を見学しました。

樋口会長は5代目。天彦産業が長寿なのは、ひとえに苦しいときに社員が支えてくれたから。
また、代々の経営者はどんなに苦しいときでも社員の給与には全く手を付けなかったと言います。
こうした経験から、樋口さんは「経営者一人では経営は無理」と悟ります。
そして、社長就任時に以下のような挨拶をします。
「今日から社長になります私一人に経営させたら絶対に潰れます!両手両足だけでなく、小指の先まで経営に参加して!全ての責任は持つ!』
以後、社員第一主義で社員幸福を追求した経営を貫きます。
一般企業は、「顧客第一主義」を掲げ、お客様のために働けと言います。
大企業は、「株主第一」で何が何でも利益を出せと言います。

しかし、樋口会長は、150年間、ピンチの時に助けてくれたのはいつも社員。
社員あっての経営との考えから、
「1番大事なのが社員とその家族」
「中小企業の経営は、会社と家族の距離を近づけること」を実践され、ぶれない経営を貫きます。
また一般に「休みを増やしたり、残業を減らしたりすれば、必ず売上げはダウンする」と考えがちですが、同社では社員が子供の入学式や運動会、参観日などの学校行事がある日は、休むことを義務付けています。
社員とその家族を大切にすることで、社員が心身ともに活力を蓄え、モチベーションが向上することによって休んだ翌日は120%の力で働きます。
コミュニケーション量が増え、生産性が上がり、業績が向上します。

以下は社員のモチベーションアップ最優先で行われている同社の福利厚生の代表例です。
- 絶対に上司が部下を伸ばしたくなる人事考課制度
- 4つの委員会活動(仲間のためにやることが何よりも楽しい。意外な長所が見つかる)
- 有給休暇取得率目標(23年度は80%)
- 祝祭日 、年末年始、夏季休暇など計124日
- がん保険、乳がん子宮がん検診は会社負担
- 出産祝い、永年勤続、子供の入学祝
- 事務員、アシスタントと呼ばず全員セールスパートナーと呼ぶ
- 会社説明会は社長自らが行う


「社員がやる気になるものに金を出す」
「制度は金利の主張に繋がる。それ以前に『お互い様経営』の風土づくりが大事」
社員第一主義の経営はどのような経営か、その神髄を見せていただきました。
樋口会長、天彦産業の皆様、ありがとうござました。
