vol.469『そろそろ次の、アフターコロナに備えよう』

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 1回3分「ヘコタレをチカラに」 vol.469

          by V字経営研究所 代表 酒井英之

 

『そろそろ次の、アフターコロナに備えよう』

 

コロナの第6波がなかなか収束しません。
G.Wが過ぎて、感染者数は再び増加傾向にあります。
入国規制の緩和やマスク外しOKの議論も起きて、
本格的なウィズコロナの時代を迎えています。

 

そういう時期ですから、
今回は次に来るアフターコロナへの
どんな準備が必要か、考えてみましょう。

 

まず、コロナ禍になって、
あなたの会社の行事、仕事の習慣で
【減ったこと・なくなった】を考えてみてください。
どんなことが【減った・なくなった】でしょうか?

 

例えばこんなことが挙げられると思います。

 

・全社員が参加してのリアル経営方針発表会
・全社員が参加しての社員旅行
・部署別で開催されていた飲食店での懇親会、歓送迎会
・合宿形式で行われていた研修への参加や実施
・関係者が大勢集まる全体会議や朝夕礼
・出先から本社に出張で大勢が集まっての会議、懇親会
・外部の見学会、集合型研修への参加
・海外の先進事例の視察
・当社への見学、来社の受け入れ
・リアルな訪問、面着を重視した営業活動
・ハンコ、サインのためだけの出勤、訪問
・多くの取引先を集めたイベント、勉強会、懇親会等の開催
・PR目的の展示会への出展
・有力な取引先への接待
・関係団体や取引先主催の勉強会、懇親会への参加
・満員電車を使っての通勤
・リアルな上司と部下の面談
・就職希望者に対するリアルな会社説明会
・会社の活動の一環としての部活動、地域貢献活動
・海外の取引先への訪問または来日を促しての交流
・定期的に行っていた会社の周年記念行事

 

他にもまだまだ企業独自の取り組みがあるかもしれませんね。
全部書き出したら、次のように分類してください。

 

アフターコロナ時に、再開したいこと…Ⅰ
このままなくしたいこと…Ⅱ

 

Ⅰは、堂々と復活させれば良いでしょう。
問題はⅡです。

 

Ⅱの多くは、昔からの習慣ですが
多くの社員にとっては、意義が感じられない
ストレスフルなものだったでしょう。

 

そこでⅡの項目に対し、
改めてそれをする目的を問い直してみましょう。

 

そして、「今は不要だ」と感じることはやめましょう。
逆に「やる必要がある」のであれば、
どのようにやるのが今の時代に合っているのか、
今日的に相応しいスタイルを考えましょう。

 

例えば、Ⅱの最たるものの一つが
「関係者が大勢集まる全体会議や朝夕礼」です。

 

人は、自分は会議で発言すると、当事者意識を持ち、
その会議での結論に関心を持っています。
自分の意見が反映されれば責任感も強くなります。

 

一方、ただ聞くだけの会議では
参加したというアリバイだけで、
参加者の行動はなかなか変わりません。

 

よって、やる必要があるのなら、
会議のやり方を見直されると良いでしょう。
近年は、管理者にファシリテーションスキルを学んでもらい、
社内ファシリテータを増やす中小企業も増えています。

 

会議はやり方次第で発言量は変わり、
参加する人のモチベーションは大いに高まります。
コロナをきっかけに会議のあり方を見直してみましょう。

 

もう一つ、アフターコロナに向けて
別の問いを考えてみましょう。

 

「あなたの会社でコロナ禍以降、
【増えた仕事、習慣】は何ですか?」。

 

こちらも書き出してみましょう。

 

・マスクをつけての仕事
・入室前の手指の消毒、体温管理
・飛沫防止ボードを挟んだミーティング
・ソーシャルディスタンスの職場と黙食
・在宅ワークやワーケーションの利用
・オンラインミーティング、朝夕礼、オンライン面談
・オンライン、オンデマンド研修の受講
・動画を使ったプロモーション
・取引先を対象にしたオンライン展示会、見学会の開催
・オンラインを用いた採用活動
・オンライン飲み会、オンライン部活動
・スマートグラスを使った現場社員への遠隔指導
・オンラインを用いた資材等の調達
・DXを活用した営業活動、生産管理活動
・マイカーを使っての出勤

 

こちらも分類してみましょう。
アフターコロナでも増やしたい、継続したいこと…Ⅲ
アフターコロナにはなくしたいこと…Ⅳ

 

この中で特に重要なのがⅢです。
Ⅲは、コロナで生まれた新常識です。
そしてこれが社員にとって、
時代にマッチした気持ちの良いものになっているのです。

 

例えば「DXを活用した営業活動、生産管理活動」は
それまでの「出会ってから知る」営業スタイルから、
「知り合ってから出会う」営業スタイルへの転換を
意味しています。

 

知り合ってからで会うので、誰もが相手のニーズに応じて
最適提案のできる仕組みを整えないといけません。
また、出会いが楽しみになるよう、
会社の日頃の情報発信力を高めないといけません。

 

同じことは生産管理でも言えます。
現場を見てから対策を考えるのか、
現場の状態をデータなどからしっかり掴んで、
対策を想定してから現場に向かうのでは、
作業効率やダウンタイムの長さがまるで変わってきます。

 

あなたの会社で
この営業スタイルや生産管理スタイルがⅢならば、
上記の仕組みを築く必要があります。

 

アフターコロナの時代は、
飲み薬の普及とともにやってきます。
是非このタイミングで、自社に起きたコロナによる変化を総括し、
今やるべきことを整理しておきましょう。