vol.429『ワクチン行列に学ぶ誰が社内研修を受講するべきか?』
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1回3分「ヘコタレをチカラに」 vol.429
by V字経営研究所 代表 酒井英之
『ワクチン行列に学ぶ誰が社内研修を受講するべきか?』
ワクチン接種の予約で混乱が生じていますね。
「電話が繋がらない」「長蛇の行列」など、
高齢者の皆さんは大変な思いをされています。
河野担当大臣は、「完全に僕の失敗」と陳謝しました。
非常時なのに平時と同じ対応したことが
混乱の原因だという見解を示しました。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA12EU60S1A510C2000000/
この答弁を聞きながら、人が殺到するケースでの
予約システムの進化を振り返ってみました。
テーマパークで見てみましょう。
ディズニーランドは、入場者の平等性を重んじる姿勢を
創業当初から貫いています。
入場は、とにかく早い者勝ちです。
そのため人気のアトラクションの前は
いつも長蛇の列となります。
「自分は偉い特別な人だから、先にしろ」とか
「金をたくさん払うから先にしろ」という主張は、
ディズニーランドでは一切通じません。
それが通じるのは、ユニバーサルスタジオです。
ユニバは、並ばずに乗れる特別なチケットを前売りしています。
「ユニバーサルエクスプレス」と言います。
4枚綴りと7枚綴りのセットになっていて結構高額ですが、
コロナ前は、アジア系インバウンドに大変人気がありました。
これが売り出されたこきは「さすが大阪、
行列の問題も金で解決するんや」と感心しました。
そんな中、最近主流になってきている予約システムは、
特定時間あたりの入場者数決めておき、
何時から何時までの間に来場いただくかを
本人が予約の段階で選ぶというものです。
わかりやすいのは、ホテルの朝食です。
「朝食を何時にとりますか?」と
チェックインの時に聞かれた経験をお持ちの方も
多いでしょう。
6:30から朝食が始まる場合、
6:30~、6:45~、7:00~、7:15~、
というように、15分刻みで希望時間を聞きます。
利用者は、自分の都合のいい時間を指定します。
もし、7:00~を希望しても、すでにその時間が
予約されていたら、別の時間帯の利用を勧められます。
その結果、朝食会場での密を避けることができるのです。
この仕組みは、近年アプリ化され、水族館や展覧会など
多くの施設で採用され、三密回避の一助になっています。
このホテル朝食の仕組みを、ワクチン接種の仕組みに
使えなかったのかな?と思うと残念です。
今回の学習を生かし、一般人のワクチン接種が始まる段階では
こうした仕組みが使われることが理想ですね。
このような予約システムの進化を考えているうちに、
この進化は企業内研修の仕組みの進化と同じだと気づきました。
かつての社内研修は、
「あまねく平等」の精神で、全員受講が大原則でした。
これは「みんな同じ扱い」の、ディズニーランド方式です。
しかし、今から20年数年前から
研修を受講するのは「社内の特定の選抜者のみ」に変わりました。
有能な人材を、ハイパフォーマーへと育てるためです。
これは、「できる人を特別扱いする」の、ユニバ方式といえます。
そうした中、最近増えてきているのが、アラカルト型の研修です。
研修のメニューが予め多数提示されていて、
「一定期間内に自分が受けたい研修を、
自分で選んで受けてください」というスタイルです。
何を選ぶかは、本人次第。
これは、「自分で選択する」朝食レストラン方式といえます。
そして今、このアラカルト型の研修に、
弊社のオンライン動画研修がよく使われています。
https://vjiken.com/online/
コンテンツは「リーダーシップ」「目標達成」
「ファシリテーション」などリーダー向けのスキルのほか
「タイムマネージメント」「承認」
「プレゼンテーションのやり方」など
一般社員向けのスキルもあります。
全部で40講座あり、1回の受講時間は15分。
受講者は好きな時に、自分のパソコンや
会議室でモニターに映して受講できます。
見ていただくのは録画された動画ですが、
一般のオンライン研修と違い、受講生には
現場実践後に実践レポートを出していただきます。
それに上司と、弊社の担当者が
コメントをお返しする仕組みになっています。
研修はただ受講しただけでは、エンタメでしかありません。
学んだことを現場で実践してこそ価値があります。
そこで、必ずフィードバックが得られる仕組みをつくり、
受講生の実践と成長を担保しているのです。
ご採用いただいた企業には、
このフィードバックの仕組みにより大変好評を頂いています。
とりわけ社員一人ひとりのレポートと、
その上司がコメントをフィードバックするのを見るのが
楽しみだという社長に喜んで頂いています。
これまで研修の成果は社長にとって見え辛いでした。
「成長と上司-部下のやり取りが見えるのがいい」というのです。
ディズニーリゾートがユニバーサルスタジオのやり方を
決して真似しないように、
予約の取り方(顧客の選び方)は企業文化の一つです。
研修もまた同じです。研修の実施とコンテンツの選定、
受講者の選び方は、企業文化のひとつです。
社員がたくましく育っていく姿も見るのは、
経営の醍醐味のひとつです。
自社に合った受講生の選び方を考えてみましょう。
そして、社員とその上司が成長する姿を楽しみにしましょう。