vol.400『社外取締役とコンサルタントはどう違うのか?』

V字研メルマガ 

 1回3分「ヘコタレをチカラに」vol.400

 by V字経営研究所 代表 酒井英之

 

『社外取締役とコンサルタントはどう違うのか?』

 

おはようございます。毎日暑いですね。
熱中症には十分気をつけてくださいね。

 

私のクライアントにお昼のお弁当に汁物を出している会社があります。
冬のメニューにはお味噌汁が必ず付いてくるのですが、
夏のメニューには汁物は付いていませんでした。

 

そこで社長は汁物つけるように給食センターに要求しました。
当然コストアップ要因となりますが、
社長はこれをやって大正解だったと振り返ります。

 

汁物の効果は次の通りです
1 ご飯(米)の摂取量が増える
2 熱中症予防になる塩分補給ができる

 

同社では、熱中症になる方が毎年一人はいたといいます。
が、この汁物サービスを始めてからは一人も出ていません。
給食センターからは「残飯の量が減った」と喜ばれたといいます。

 

問題に気付くと対策も変わるものですね。
こうしたちょっとしたことが熱中症予防になるのだと感心しました。

 

さて今日は、社外取締役についてお伝えしたいと思います。
社外取締役とコンサルタントは似て非なるものだと私は思っています。

 

コンサルタントはお客様のところへ行って
問題解決をお手伝いするのが仕事です。
ビジョンを描きたいけど描けないといえば描くお手伝いをし、
そのために社員の育成が必要だとなれば
そのお手伝いをするのがコンサルタントの仕事です。

 

ただ、こうした仕事をするためには、
お客様が問題に気づいていないといけません。
中小企業であれば、社長が
「自分一人でビジョンを作っても現場に落ちない。
だから社員を巻き込んで作りたいな」とか
「幹部がもっと全社目線で考えてくれるようにならないかな」など
問題を認識しているからこそ、
その解決策としてコンサルタントに依頼するのです。

 

では、どうしたら問題に気付くことができるのでしょうか?
他社の優れたやり方を見て気づくこともあるでしょう。
お客様や金融機関などのビジネスパートナーから
「この点ができていませんね」と指摘されて
気づくこともあるでしょう。

 

この指摘役の一人が社外取締役です。
社外取締役は会社の役員会に出席して現状を把握します。
そしてその会社のあるべき姿と照らし合わせて、
「この点は大丈夫ですか?」
「こんなリスクがあると思うのですがいかがですか?」と
指摘します。そしてコトの重大性に気づかせて、
役員にそれの対策を打つように促す。
これが社外取締役の役割です。

 

それゆえに社外取締役になる人に必要なスキルは、
何と言っても自分のチェックリストを持っていることです。
そしてそのチェックリストを使い、以下のことをします。

 

・できている点とできていない点を見分ける。
・できていない点を放置するリスクを予見する。
・そのリスクの重大性を事例を交えて語り、危機感を共有する
・できていない点が多い場合は、優先順位をつけ、
 何から取り組めばいいかがアドバイスする。
・解決の納期の目安を示す
・解決の方法についてヒントを与える
・次の役員会で 問題解決への進捗を確認する

 

指摘する問題の中には、社長にとって耳が痛いこともあります。
「今までこれでやってきたんだから問題はない」
と開き直られることもあります。
そうした反論を覚悟しながらも、
何が正しいかに気付かせることができる。

 

そのためには上から目線でものを言うのではなく、
穏やかに対話することができる。
つまり経験と実績はもちろんのこと、
人間力も備えていないと社外取締役はできないのです。

 

それゆえに社外取締役というのは、
大変難しい仕事だと私は思っています。
それができるということは、
ご自身の中に明確なチェックリストを持っている。
そのリストを作り上げるだけの知識と経験が
十分にある証明だと思います。

 

今回、当メルマガ400号発行感謝イベントとして、
私が実に多くを学ばせていただいた先生を
講師に招いた勉強会を開催します。
同族経営(ファミリービジネス)の専門家の西川盛朗先生です。

 

同族経営の経営者やそれを支援するコンサルタントを
育成するファミリービジネスアドバイザー協会の理事長で
多くの同族経営企業の社外取締役を務めています。

 

私はその協会で学んだ一人であり、
先生は私のメンターです。

 

先生は「長く繁栄する同族経営の条件」や
「5つの統率鉄則」「繰り返される失敗のパターン」
等をまとめておられます。
そうした先生の独自のチェックリストが
多くの企業に「わが社の問題はこれだ!」という
気づきを与えています。

 

オンライン対応していますから、
遠方の方もお気軽にご参加いただけます。
料金は無料です。

 

開催要領は下記の通りです。
同族経営に興味のある方、
一般企業に勤務しながら同族企業を研究したい方は
是非ご参画ください。


皆様のご参加をお待ちしています。
https://peraichi.com/landing_pages/view/fbslab