vol.486『大谷選手に学ぶ自分のモチベーションを維持する方法』

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 1回3分「ヘコタレをチカラに」 vol.486

          by V字経営研究所 代表 酒井英之

 

『大谷選手に学ぶ自分のモチベーションを維持する方法』

 

大谷翔平選手、今シーズンもすごい活躍でしたね。
大リーグ史上初、投手でも打者でも規定打席に達しました。
どちらも年間通じてレギュラー選手であり続けないと
達成できない記録です。素晴らしいですね。

 

そんな彼が日々心がけていることあります。
ゴミ拾いです。
プレイ中にグランドやベンチに落ちているゴミを拾うのです。
そしてそれを自分のポケットに入れるのです。

 

大リーグでそんなことをする人はいません。
ゆえに、格好のYouTube ネタになっています。
「大谷 ゴミ拾い」で検索してみて下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=rY--aWiTWtA

 

ではなぜゴミを拾うのか?
彼に記者が質問したところ、次のように答えています。
「私はゴミを拾ってるのではありません。
人が捨てた運を拾っているのです」。
https://toyokeizai.net/articles/-/216939

 

このことを彼は、日本ハムファイターズ時代に先輩だった
稲葉篤紀さんに学んだといいます。
稲葉さんは、昨年東京五輪で金メダルを取った
侍ジャパンの監督を務めた方です。

 

その稲葉さんが、ベンチ前のゴミ拾いをやっていたそうです。
不思議に思った大谷選手が、なぜそれをするのか尋ねた時に、
稲葉さんはそう答えました。
それに感化されて始めたということです。

 

大谷選手のゴミ拾いのように、
善い行いをすることを「善行」といいます。
善行をすると、人のモチベーションは上がります。

 

善行がモチベーションアップに繋がるのは、
自分で決めたことを毎日自分でやりきることで、
自分で自分を認める「自己承認」ができるからです。

 

「自分でこれだけはやろうと決めたことを、
毎日コツコツコツコツ続けている。
だから、大丈夫。きっと上手く行く」
そう、自分で自分を信じられるのが自己承認です。

 

この自己承認ができると、苦しい時でも
「大丈夫。何とかなる」とポジティブでいられます。

 

例えば、今年の冬の五輪で金メダルを期待されながら
惜しくも5位に終わった17歳の川村あんり選手。
彼女は試合後のインタビューで次のように答えています。

 

「金メダル候補と言っていただいた中でメダルが獲れず、
申し訳ない気持ちでいっぱいです。
私もちっちゃい頃から頑張ってきた。
(次の五輪では良い成果を出して)
諦めなければ、夢は叶うと伝えたい」

 

彼女には、小さい頃からコツコツ練習を一生懸命やってきたという
自負があります。この自負が自己承認となっています。
だから「期待に応えられなかった自分はダメ」じゃなくて、
「大丈夫。まだ私は頑張れる」と思っているのです。

 

そこで、どんな時でも挫けず自己承認できる
「善行」の実施を読者の皆さんにはお勧めしたいです。

 

が、善行の実践には二つの大きな壁があります。
その一つは善行を行ったところで、
誰かが「あなたは素晴らしい!」と
称賛してくれるとは限らないことです。

 

例えば、あなたが
「会社の入り口が殺風景だな…」と気がついたとします。
そこで花瓶を持ってきて、一輪の花を飾りました。
それによって玄関は少し華やいだ雰囲気になったとします。

 

ところが、誰もそのことに気がつきません。。
感謝されることもありません。
このような状態が続いたとき、あなたはだんだん
「やっていて意味があるのか?」と考えはじめます。
そしていつしか止めてしまいます。

 

このような心境になった時、
次のように考えようと心理学者のアドラーは言っています。

 

まず花を飾るかどうかはあなたの行動の選択です。
「やりたいと思ったらやればいい」のです。

 

これに対し、皆が気づくかどうかは皆の行動の選択です。
それをあなたにコントロールすることはできません。
それをコントロールしようとするから苦しいのです。

 

できないことに思い悩んでも仕方ありません。
大切なのは相手の反応ではなく、
自分が「やりたいかどうか」です。
自分がやりたければ、
他人がどう思うかはは気にせずにやればいいのです。

 

このような割り切りは、
善行を続ける上でとても重要なことです。

 

もう一つは、何のためにそれをするのかという
行動への意味付けです。
何かをやるとき「何のためか」という意味付けがあり、
それが腹に落ちていると、
行為そのものがたとえそれが辛くとも、楽しいものになります。
楽しいからこそ継続します。

 

大谷選手は「人が捨てた運を拾っている」と、
意味付けをしていました。
これによりゴミを拾うたびに
自分がパワーアップする印象を持っているのでしょう。
だから、続いているのです。

 

先日、私が出会ったITのソリューション営業している
セールスレディは自分の仕事を
以下のように意味付けしていました。

 

「私の仕事は、お客様にお役に立つものを見つけて
お勧めすることです。
例えるなら、ドラえもんの『四次元ポケット』です。
ドラえもんのように、目の前の人のお困りごとを聴いて、
解決できる素敵な道具を取り出すのです」

 

これを聴いて、私はとても感心しました。
なぜなら、なかなか解決策が見つからないときでも、
「大丈夫。私は『四次元ポケット』なんだから
きっと良い方法が見つかる」と思い、頑張ることができるからです。

 

自己承認ができる人は、「あいつより俺の方が上だ」とか、
誰かと比較してまで自分を承認する必要がなくなります。
そして、他人頑張りを素直に「素晴らしい!」と認める
「他者承認」ができるようになります。

 

大谷選手がすごい大記録を打ち立てても
常に謙虚でいられるのは、自己承認ができているために、
他者を「あなたも頑張っていますね」と
素直に承認できるからでしょう。

 

あなたは何か善行していますか?
自分のモチベーションを維持するために、
あなたに出来る善行を見つけて、
今日も取り組んで下さいね。