vol.399『コロナ第2波を逞しく生き抜く会社』

V字研メルマガ

 1回3分「ヘコタレをチカラに」 vol.399

          by V字経営研究所 代表 酒井英之

 

『コロナ第2波を逞しく生き抜く会社』

 

7月以降のコロナ感染の第2波の到来で
先の見えない状況が続いていますね。
多くの経営者から「この状況は少なくとも
2年ぐらい続くのではないか」の声をよく聴きます。

 

こうなりますと、元通りになるのを待つのではなく
今の状態を前提にどのように利益を出すか、
真剣に考えないといけません。

 

そこで弊社のお客様の社長たちが、
今、まさに取り組んでることをお伝えします。
いずれも現在取り組みの真っ最中なので、
上手くいった成功事例ではありません。

 

が、何か手を打ちたいとお考えの皆様には
ヒントになることはないかと思います。

 

 

【事例1】テレワーク大賞を設定・表彰

 

テレワークを導入している会社多いと思います。
修理専門のA社も、営業活動の大半をテレワークに変えました。

 

3月後半からテレワークを導入したのですが、
6月になるとテレワークで実績を上げる営業マンと
そうでない営業マンの差がはっきり出るようになりました。

 

テレワークで成果をあげる人の共通点は、以下の2点です。
第1は、お客様が必要としている修理品の写真を見ながら
どんな修理をしたらいいか、仮説を立てることができること。
第2は、その解決策をzoomでプレゼンできること。

 

第1は、経験豊富なベテランの方が有利です。
第2は若者の方が有利に思えますが、
訓練すれば誰しもすぐにできるようになります。
その結果、同社ではベテランの方が成果を上げました。

 

そこで社長は、テレワークで成果を上げている
二人に早速テレワーク大賞という即賞を送りました。
賞金はなんと一人10万円!

 

こうした即賞が出ますと、当然ですが
他の社員も色めき立ちます。受賞が憧れになります。
そして「テレワークだから成果が出ない」という
言い訳をなくすことができます。

 

現在同社では、成果を上げた2人が若手社員に対し、
修理の基礎知識はもちろんですが、
zoomを用いたプレゼンの仕方を講義しています。
憧れを作った後ですから、受講側は真剣です。
こうした切り替えの速さが会社の変化を加速しています。

 

 

【事例2】面談でコストダウンのヒントをゲット

 

社員の主体性を発揮させるために
どうしたらいいかが課題だった製造業のB社。
そこで、今年の4月から
社長と部長3人を集めた研修をスタートしました。

 

そこで学んだことは、社員との個別面談の重要性です。
そして、善は急げでGW明けから
社長と部長で約90人の全社員面談を実行しました。
一人当たり30分です。

 

あるベテラン社員を面談した時です。
「持ち場で何か気になることはないか?」と質問したところ、
彼はポツリと「バキュームの吸い込みが弱くって…」と
つぶやきました。

 

このつぶやきに、部長も社長も同時に反応しました。
「ちょっとちょっと、それ、どういうこと??」

 

実は同社ではここ2年間、
ある副資材の減りが予定よりも早い、
という怪現象が起きていました。
その原因を幾度も社内調査をしたのですが、
ついにわからずに悩んでいたのです。

 

そこで、このつぶやきを聞いた時、
「ひょっとしたらバキュームが原因か?」
「バキュームがおかしいとは考えていなかった!」と
社長も部長も気づいたのです。

 

その後、二人はバキュームを調べてみました。
すると、バキュームに異常が見つかり、それこそが
副資材の減りが早い原因だと分かったのです。

 

これにより、副資材の調達を削減することができました。
その効果は、社長の試算でなんと1億円以上!
社長はコロナで影響を受けた減益分を、
これで取り返せると大変喜んでいます。

 

同社では、毎月「今月の月間MVP」を
選定して表彰をしていますが、
6月の月間 MVP はこのバキューム問題に気づいた
ベテラン社員がゲットしました。

 

「まず塊より始めよ」といいますが、
危機突破もまずは足元を見つめることが大事ですね!

 

 

【事例3】若手ばかりのプロジェクトチームを発足

 

製造業のC社で、コロナ禍をチャンスと捉え、
昨年来検討していた新工場の増設を進めることにしました。

 

不況時における設備投資は、メーカーも仕事が少ないため
安価で納期が早い。面倒な要求にも丁寧に対応してくれる。
有能な技術者が担当してくれるなど
好況時に得難いメリットが多いからです。

 

ですが投資する以上、
今後は収益力アップを図らなければなりません。
新たなマーケットを開拓する必要があります。

 

コロナ禍でビジネスを拡大しようとすれば、
巣ごもり消費を狙った通販は欠かせません。
しかしながら、同社は通販ビジネスは未経験。

 

そこで、通販ビジネス起ち上げるための
プロジェクトチームを作りました。
担当するのは営業部の20代の若手社員3人です。

 

それぞれが「通販で売りもの研究・売り値研究・
売り方研究」を手分けして担当します。
会社として20代3人の感性に、
新工場の未来を賭けてみようというのです。

 

そうは言ってもベースとなる知識なしでは
創造力は磨かれません。
そこで私から通販専門のコンサルタントを紹介しました。
またECについて多くを学べる研究会も紹介しました。

 

今の若い社員はものすごく素直ですから、
必死になって学習をしています。
こうした若者の姿を見て活気付くのが、ベテラン社員達です。
新工場を増設するということもあり、
現在大変モチベーションが高い状態になっています。

 

以上3社の紹介をしましたが、
まだまだ元気な会社は多数あります。

 

コロナを嘆いても仕方ありません。
厚い雲上には、日光が輝いく世界があります。
今年は雨の日が例年になく多く、
甲子園や帰省ラッシュなど夏の風物詩はありませんが、
自分の力で自分の晴れ間をつくりましょう!