vol.387『3つの「ことわざ」に学ぶ危機突破のヒント』

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 1回3分「ヘコタレをチカラに」 vol.387

          by V字経営研究所 代表 酒井英之

 

 

『3つの「ことわざ」に学ぶ危機突破のヒント』

 

緊急事態宣言が解除される見通しとなりました。
しかし経済活動の復活にはまだまだ時間がかかりそうです。

 

そこで今回は、今何をするべきか。
叡智の結晶ともいうべき「ことわざ」3つを
題材に考えてみたいと思います。

 

ことわざ1.
「疲れたら休め。友は遠くへ行くまい」ツルゲーネフ

 

今あなたの会社の受注はどうでしょうか?
業種差は大きい思いますが、
減っている会社が大半ではないでしょうか?

 

減っている内容をを分析してみましょう。
どんなお客様の受注が減ってるでしょうか。

 

こんな時お客様は2種類に分かれます。
「こんな時ですから」と言って離れていくお客様
「こんな時だからこそ」お願いしたいというお客様です。

 

離れていくお客様は、
安くしか買ってくれないお客様です。
より安い仕入先があればそちらへ行ってしまいます。

 

一方、残るお客様は、
貴社の独自の技術・サービスを
高く評価しくれているお客様です。
その技術・サービスこそが他にはない、貴社の強みです。
今、それが最もよくわかる時です。

 

今後、その技術・サービスに特化した情報を発信し、
それに反応のあった客先を増やしていけば
主力商品・事業をより高付加価値体質へと転換できます。

 

安価政策に走っている
ライバルとの体力差が一気に開きます。
今、貴社にオファーが来ている技術・サービスは本物です。
コロナは、それを見極める良い機会だと捉えましょう。

 

 

ことわざ2.
「まさかの時の友こそ本当の友」

 

人生には三つの坂があるといいます。
上り坂・下り坂・まさかです。
今はまさに、「まさか」の真っ最中。

 

こんな時に手を差し伸べてくれる方がいます
外食の宅配代行専門の出前館は、
取引先の外食産業も従業員を
臨時で受け入れています。
配達員が不足しているからです。

 

景気が元に戻り通常営業ができるようになれば
その人たちを元のお店に戻します。
外食産業の人も、腕に覚えのある
有能な従業員を解雇せず済みます。

 

名古屋市北区の社会保険労務士事務所の
北見式賃金研究所では、
従業員を解雇あるいは廃業したいというお客様があれば
その従業員に対し再就職を斡旋するための
合同会社説明会を開いています。

 

社長にとって何より辛いことは
長年会社を支えてくれた社員に
「辞めてくれ」ということ。
もし再就職先を決めてあげることができたら
その辛さを和らげることができます。

 

それを長年お世話になったお客様への恩返しとして
コロナショックが始まった
2月下旬から実施しているのです。

 

コロナショックの前まで中小企業は
慢性的な人手不足に悩んでいました。
良い人材が欲しいと思っている会社には
今こそチャンス到来です。

 

こうしたマッチングを引き受けられるのは
取引先は350社もある同事務所ならではです。
やむなく廃業を決めた社長には
本当にありがたいサービスですね。

 

私は同所の取引先様向けの
勉強会講師を務めていますが
北見所長のこうした取り組みを知り、
とても誇らしいと思います。
http://tingin.jp/seminar/after-corona.html

 

ことわざ3.
「汝の隣人を愛せよ」(イエス・キリスト)
意味:自分自身のことだけ考えずに、
まわりの人々にも愛情を持って接しなさい

 

「今、我が社がピンチだ。どうしよう」
と焦っている会社が多いと思いますが、
良い突破法を見つけるには、
「問い」を次のように変えてみましょう。

 

「今はお客様がピンチだ。わが社に何ができるかな?」

 

貴社がピンチなのは、貴社の お客様がピンチだからです。
ですから我が社のピンチを救おうと思えば、
何よりお客様のピンチを救うことです。

 

そこで以下の順番で、わが社にできることを探します。

 

1.数ある客先で今、ピンチのお客様を選定する
2.1の客先から「〇〇して欲しい」という
  具体的なオファーが届いていないか、担当者に確認する
3.2のうち迅速に対応できることを選択して実施する
4.同様のニーズが他のお客様にもあるのではと仮説を立て、
  「わが社では今、3の対応をしています」とアナウンスする
5.4にオファーがあれば対応する

 

例えば弊社では、複数の研修専門機関と提携しています。
これらのお客様が今、 集合研修を開催できず
ピンチに陥っています。
そうしたお客様を救わない限り弊社の仕事は増えません。

 

それらのお客様のニーズは
「オンラインでできる研修」はないか?
あるいは、 「従来やっていた集合研修を
オンライン化してできないか?」です。

 

するとこれまで集合型で当たり前でやっていた研修も、
実はオンラインでやった方が
スキルアップ効果が見込めるのではないか?
と思えるものがいくつも見つかりました。

 

そして、それらを提案すると大変喜ばれました。
現在はそのサービスをお客様同士が
競合しない範囲において提案し、受注しています。

 

ピンチはチャンスと言いますが、
お客様のピンチはお客様のチャンスであり
貴社のチャンスでもあるのです。

 

ピンチ脱出会議は、チャンス創造会議。
是非と「問い」を変えて社内の衆知を結集してください。

 

以上、3つのことわざから、
今を生き抜くヒントを考えてみました。
最後に、本田圭佑選手の口癖をひとつ。

 

「いい準備をしましょう!」