見出し画像

vol.535「昭和の常識・令和の非常識=この言い方を気を付けて!」

『不適切にもほどがある』
TBSで毎週金曜日22時から放送されている番組です。
ご覧になられたこと、ございますか?
https://www.tbs.co.jp/futekisetsunimohodogaaru/

昭和に生きていた主人公(中学の熱血先生)が
タイムスリップして令和に来てしまうことで起こる
ドタバタを描いたコメディ。脚本は宮藤官九郎。

そこで、昭和と令和、どれだけ違うのか、
しっかり見ておこうと思い、
先日ネトフリで第一話をチェックしました。

が…、正直言って、途中でギブアップしました。
「痛い!」のです。
見ていて、胸のあたりがズキズキと痛くなる。

例えばこんなシーンがあります。
・野球の練習で先生が「水を飲むな、飲んだらばてるぞ!」と言う
・一人がミスをすると、連帯責任で先生から全員ケツバットされる
・ノーマルのカセットテープを買って帰った親に
 娘が「メタルじゃなきゃ嫌だ」と駄々をこねる
・灰皿があるから、バスの中でタバコを吸う
・「SAILORS」だと思って買ったトレーナーが
「SAIYARS」(偽物)だった

なんか、思い当たることばかりです。
そのため「こんなひどいことしていたのか…」と、
忘れていた「嫌なことをされた思い出」や
「嫌なことと分かって人にしていた思い出」が
次々フラッシュバックするのです。

実際に私は「adides」と書かれたバッグを中学校に
持って行って、皆からひどく馬鹿にされました…(涙)

ただ、こうした時代錯誤の痛みは、
今日の職場でも限りなく起きているのだと思います。
昭和生まれ・昭和育ちの昭和人の管理職たちが、
令和人の若者たちに、当時の常識のまま接しているからです。

例えば部下がミスをしたとき、上司は思わず叫びます。
「ふざけるな!やる気あるのか!!」

昭和人の部下ならば、
「いえ、俺、本気です。もう一度やってみます!!」
と返事して、すぐさま再トライするでしょう。

ところが令和人には、当たりがキツイのです。
なぜなら、別にやる気がなくて
失敗したわけではないからです。

一生懸命やって失敗することは誰にでもあります。
そこを「やる気がなかった」と
一方的にキメツケられる。
嫌な気分になって当然です。

さらに「頼んだ仕事ができていない」ときに、
昭和人の管理職たちは
「なんでちゃんとやらないの!」と部下を責めます。

こんなとき、部下が昭和人なら
「すみません、すぐやります!」と応えるでしょう。

が、令和人には耐えられません。
なぜなら、この一言の背景にも
「お前がさぼった」というキメツケがあるからです。

よってこのようなときは、
「え?どうしたの?何かあったの?」と尋ね、
事実を確認することが肝要です。

この問いかけは、とても温かい声かけです。
というのも、私には以下の経験があるからです。

大切なお客様の創立50周年の記念式典に
主賓の一人として招かれた時のことです。

実は私、この大切な場に遅刻をしてしまったのです。
理由は、ホテルの駐車場が満車だったから。
開始の20分前にホテルに到着したのですが、
停めることができません。

ベルボーイに地図を渡されて案内されたのは、
公共のラグビー場横の駐車場でした。
そこは、クルマで行けば5分程度でしたが、
歩いて行けば15分はかかる場所です。

やむを得ずそこに駐車します。
そこから走ってホテルに戻りますが、
式典開始時刻には間に合いませんでした。

最前列中央の席です。途中入場もできず、
区切りのいいところまで
結局会場入り口で待機することになりました。

このとき私は、招待してくれた社長に対して
お詫びの気持ちで一杯でした。
大事な式典に主賓不在という穴を空けたのです。
こっぴどく叱られても仕方がない、と思っていました。

そんな後悔しきりのときに、
社長からLINEが届きました。
そこにはひと言、
「先生、どうしました?何かありましたか?」

この社長の言葉は、私の遅刻を責めていません。
それどころか「先生が遅刻するなんて、事故とか体調不良とか、
何かあったに違いない。私は心配しています」と、
私を心配するメッセージが言外から伝わってきました。

社長は私が遅刻した事実を責めるのではなく、
私個人を心配してくれました。
私はそれがとても嬉しくて、とても感動しました。

同時に今後は決してこの人の信頼を裏切らない、と
心に誓ったのでした。

心理学的に言えば、「なんでちゃんとやらないの!」は、
主語が「あなたは」のYOUメッセージです。
対して社長から頂いた感動LINEは
「私は心配しています」ですから主語が「私は(I)」の、
Iメッセージです。

Iメッセージは人を責めず、
言われた人の行動を変える力があります。
「ご心配頂きありがとうございます。私のミスです」と
素直に謝ることができるからです。

「主語をYOUからIへ」
昭和人の管理職がそんなコミュニケ―ションスキルを
少しづつ身に着けていくと、
職場は格段に働きやすくなっていくでしょう。

TBSドラマ『不適切にもほどがある』は
上記のように私にはとても「痛い話」でした。
ところが、令和人の私の娘は同じ番組を観て
「すっごく面白い!」とゲラゲラ笑っています。

昭和人の粗野で乱暴なものの言い方・考え方は
ノーサンキューでも、
ひたむきに何かを追い求める姿勢は、
令和人に憧れとして映るのでしょう。

あなたも、世代によって痛い・面白いが分かれる
『不適切にもほどがある』を
覗いてみてはいかがでしょうか?

そして、今日的な「不適切」を実施していないか、
振り返ってみてくださいね。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?