第6期 第3例会 2024年8月29日(木)カリモク家具株式会社(愛知県知多郡東浦町)
台風10号来襲直前の8月29日。
無敵経営研究会はカリモク家具(株)様を訪問。
山田郁二 常務取締役営業推進統括部長のご講演と
工場見学をさせていただきました。

講演のテーマは、
「カリモク60(ロクマル)」のブランドづくり。
60のとは1960年代にデザインされた家具のこと。
それを、発売から40年以上たった2000年以降、
同社の一つのカテゴリーとして製造・販売し、
今も多くの高い支持を受けているのです。

なぜ、そんな古いデザインが復刻したのか。
90年代、家具業界は大きな転換点を迎えます。
バブル崩壊や婚礼市場の縮小を受けて、
家具屋が次々倒産。家具メーカーは、
独自のブランドづくりを迫られました。
そんな中、一人のデザイナーが同社にある疑問を呈します。
「デザインは使い捨てだろうか?」
「次々に生まれるプロダクトの中、
デザインも古くなるのだろうか?」
そして生まれたコンセプトが
「ロングライフデザイン」。
トレンドに迎合、真摯なものづくりを
現代の価値観にむけて再編集し、生活者に提案したのです。
具体的には
販売面では客層を絞ります。
従来の取引先ではなく、新販路を開拓します。
乱売防止のため量に応じた掛け率をやめ、一本下代とします。
販促品も無償提供ではなく、有料にしました。
生産面では、
材料は持続可能な仕組みを創って調達します
構造は永持ちするよう強くします
素材は最先端のものを使います
パーツは交換、修理したすい設計にします
こうした「コンセプトに合わせてすべてを作り替える」
努力の結果、「カリモク60」は狙い通り、
流行やデザインに敏感な20代前半~30代後半の若者や
カフェ経営者、デザイン事務所、建築事務所などの
ファニチャーとして高い支持を得ました。
このコンセプト共有には、山田常務の強い思いがありました。
それが、同社の家具を
チューイングガムにしない、ということ。
チューイングガムは、使い捨て商品のメタファー。
家具作りに携わる人なら、
誰も、チューイングガムのような商品は
創りたくないですよね。

講演会の後に家具作りの工場を見学しましたが、
職人技がそこかしこに生きていました。
だからこそ、このメタファーは、
仲間の共感を呼ぶには十分なものだったでしょう。
ロングライフデザイン。
そういうコンセプトの価値を身に染みて感じた時間でした。
自分も次に本を書くときは、ロングライフデザインを
意識したいと思います。

カリモク家具の皆様、山田常務様、
ご講演と見学会、誠にありがとうございました。



